
毎日のように使っている「洗剤」、洗剤で汚れが落ちると言うこと が常識になっていますが、洗剤とは何か? なんで汚れが落ちるのでしょうか?意外に知られて いない「洗剤」を調べていきます。
もくじ
洗剤の力
洗剤のことを知り、力をもっと引き出すことでお掃除がラクになる!
洗剤マスターになると、今までどれだけ無駄な時間や労力を使っていたかがわかると思います。つまり、洗剤にとって良い環境を与えてバリバリ働いてもらうわけです。基本的なことだから、アイデアしだいで応用はさまざま!お掃除の手間と時間はまだまだ減らせます。
お掃除裏技!

例えば、“温度が10℃上がれば汚れは2倍早く落ちる”ことを知っていると、洗剤を使用する前に、洗面器に40℃前後のお湯をためて、洗剤の容器ごと浸して温めてから使用すれば効果2倍!などの裏技的な応用が生まれてくるのです。
洗剤とは?
なんで洗剤で汚れが落ちるの?
洗剤とは、汚れを落とすためにあり、大きく分けて『石鹸』と『合成洗剤』がある。現在、一般的には洗剤というと『合成洗剤』のことを言う傾向が強いようです。

洗剤の目的は洗浄することです。水を使って汚れを落とすとき、洗剤を一緒に使うと汚れが良く落ちるのはご存知と思いますが、 なぜそうなるのでしょうか?とくに水になじまない油汚れを落とすのに、洗剤の助けが必要なのはどうしてでしょうか?
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簡単に説明すると、市販されている洗剤の多くは界面活性剤を「主剤」とし、これに各種の「助剤」や「添加剤」を加えた組成となります。つまり主役は『界面活性剤』ということになります。最近では植物性の界面活性剤もあり、純植物性洗剤も販売されています。
界面活性剤は水と油、両方と仲良し?
★2つの特性を1つの体に! 界面活性剤が水と油(油脂性の汚れ)両者と仲が良いのは、1つの分子に“親水基”と“親油基”という全く相反した性質の2つの部分からなっているからです。そして、界面活性剤の分子が油の表面に吸着し、親油基を油のほうに、親水基を水のほうに向けて、整然と配列することにより本来は水に溶解または混和することのない油が、水の中に粒子として分散し乳状になり1つのグループになるのです。

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水と油(油性の汚れ)は、とても相性が悪い!
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両者と相性の良い界面活性剤が仲介役に・・・
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少し時間はかかるけど、みんな仲良く移動します。
洗剤を上手に使う7つのコツ !
1 はじめに
★ 取扱説明書は必ず読む! 使用する洗剤については、必ず使用上の注意や使用方法などの説明書きを読み、それに伴った使用をしてください。ボトル(容器)に書いてあるものが多いので、洗剤を使用する前には、説明書きを確認すると良いでしょう。
2 洗剤の使用濃度
★ 使用濃度? 洗剤には最適の使用濃度があり、“家庭用品品質表示法”およびその他の法規でこれを表示することが定められています。ほとんどの市販されている洗剤はそのまま使用できますが、業務用や原液を薄めて使用するタイプのものなどは、適切な希釈倍率で薄めることが大切です。濃さを2倍にしたからといって、効き目が2倍になるとは限らないのです。
3 洗浄時の温度
★ 温度が10℃上がれば2倍早く汚れが落ちる!
界面活性剤の水に溶けるスピードは、温度の上昇とともに速くなる傾向があります。一般に温度が20℃(クラフト点*1)を超えると、界面活性剤がほとんど水に溶けるといわれています。 一例ですが、温度が10℃上がれば汚れは2倍早く落ちると考えられています。普通40度前後のお湯を使用すると良いでしょう。
*1.クラフト点とは、界面活性剤がある温度以上にあるとき、急によく溶ける境目の温度のことを言う
4 適切な道具を使う
★ お掃除道具を兼用する! 汚れを早く落とすには、汚れのある場所や素材に合った道具を使い、洗剤の作用が早く汚れにいきわたるようにします。スポンジやブラシ、その場所や素材(建材)にあった道具を選び利用することで、“早く・簡単”に汚れを落とすことができます。
5 パッチテスト(patch test*2)
★ 目立たないところで試してから・・・本番前のリハーサル!
洗剤や道具を使用する前には、必ず目立たないところで試してから作業を進めてください。洗剤の効き方や道具の使い心地、汚れの落ち方などを確かめます。さらに汚れの付いている素材が、作業によって傷んでないかなどもチェックします。
*2 パッチテスト(patch test):一般的にはパッチテストというと、アレルギー性疾患の原因物質を調べるための検査などでよく使われています。しかしこの場合、直訳で“(作業場所の)一区画でテストする”という意味で、お掃除で言うパッチテストとは、作業を始める前に目立たない所でテストをするという意味でもあります。
6 注意!洗剤の混用
★ まぜるな危険! 洗剤を使用するときは、むやみに他の洗剤と混ぜないでください。例えば、酸性洗剤と塩素系漂白剤を混ぜると有毒ガス(塩素ガス:cl2)が発生してとても危険です。また酸性洗剤とアルカリ洗剤を混ぜると、それぞれの持つ特性が失われるので洗浄効果がなくなります。さらに、素材(建材)を傷める場合もあるので、むやみに洗剤を他の洗剤と混ぜるのはリスクが大きいということになります。
7 最後が大切、洗剤を残さない!
★ 洗剤使用後のすすぎ作業 作業の最後は水洗いまたは水拭きを丁寧にしましょう。洗剤を使用後、素材(建材)に洗剤成分が残っていると汚れが付きやすくなったり、カビや微生物の発生原因ともなり衛生的にも問題となります。さらに、長時間洗剤が素材に付着していると、化学変化などにより素材を損傷する原因にもなります。
- ペットと一緒に暮らしている方は、お掃除・臭い対策など、ペット情報満載の「ペットと掃除」もご参考ください。