住まいのお掃除の代表格「掃除機」。日常的なお掃除の場合、掃除機をかければ室内全体の半分以上終わったと言っても良いほどです。しかし、普段何気なく使用している掃除機が、以外と盲点です。メディアからもお掃除企画監修などで依頼されることも多く、効率的な掃除機のかけ方を知らない人も多いようです。“お掃除は力を入れてゴシゴシ”と、“早く終わらせるために急いで動いて”と、何かと疲れるイメージもありますが、コツさえ解れば以外とラクにキレイにできます。今回は、プロが教える!効率の良い掃除機のかけ方「ラクにキレイに簡単バージョン」を紹介します。
掃除機の性能をフルに活かしつつ、リラックスした状態でお掃除していきます。無駄な動きを省いて効率よく掃除機をかけることで、素早くキレイな仕上がりとなります。そして、汚れやすい場所で掃除機をかけれる所は掃除機で対応。それが出来ると、ハタキやブラシといったその他のお掃除用具を使わず、簡単でキレイになります。キレイの質にこだわる方は、ハタキやブラシなどの用具を活用することで、掃除機だけでは取りきれない細かい汚れも取り除くことが出来ます。準備
- 1. 室内の小物など移動できるモノは移動して、掃除機をかける場所の整理整頓をしておく。
- 2. 作業に伴う、ホコリの飛散や拡散予防のためにも、窓を開けるなどの換気対策をしておく。
- 3. 注意:お掃除箇所の水分除去
一般的な家庭用掃除機は、水などの液体を吸い込むと故障の原因となります。また、ノズル、ホース、本体収集容器などの内部に付着する汚れも多くなるので、注意が必要です。床面などに水分や液体が掃除機をかける場所にある場合は、あらかじめ除去しておきましょう。
また、掃除機が吸い込める大きさで、詰まりやすいもの(袋、コード、ヒモ類、小物類など)がある場合も、あらかじめ移動しておきましょう。
ポイント(1~5)
1. 背筋を伸ばしてリラックス!力を入れすぎないこと 「やりがち」な例として、腰を曲げて床面にぐいぐいと押しつけるように力を入れて掃除機をかけている人、多いのでは?このかけ方では掃除機の吸引力を感じにくくなります。背筋を伸ばして力を抜き、軽く掃除機を持ち、前後にスイングすることで、床面に掃除機のノズルが吸付く感じを確認します。このことで、各掃除機の吸引力に合ったかけ方のスピードを決めることが出来ます(*吸付く感じを維持しながらスイングするスピードが、使用する掃除機に合ったスイングスピードと言えます)。
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効率の良い姿勢
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やりがちな姿勢
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ノズルの吸付く感を覚える
2. 一往復5~6秒!掃除機はゆっくりかける
かけ方ひとつで吸い取り量が変わります。やりがちな例としては、力を入れてゴシゴシと素早く動かして掃除機をかけている方を見かけます。これでは、掃除機の性能を発揮しきれないばかりか、疲れる割にゴミの集塵量も少なくなります。
掃除機をかけるスイングスピードは、使用機種や床材によっても異なりますが、基本的に畳一畳分を約8往復(3分の1重ねがけ※4にて)で40~48秒、一往復5~6秒以上かけてゆっくりかけます。参考例ではありますが、ペット雑誌「ねこのきもち」編集部と簡易的な実験をしたところ、掃除機をゆっくりかけた時とやりがちな例の時とでは、ゴミのとれる量に大きな差が出ました。
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ゆっくり掃除機をかける
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ゆっくり:ゴミ多い
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やりがち:ゴミ少ない
3. 前後のスイングスピードやスイング幅は一定で
やりがちな例として、ゆっくりかけていても手前に来ると早くなったり、前後のスイングスピードがばらばらだと、汚れの取り残しにつながります。
スイングの前後幅については、「往復路とも同じ場所を通り、スタンス肩幅、1歩踏みだした姿勢でラクにスイングできる程度」が安定して良いと思います。その後、横移動して同じ動作を繰り返し、むらなく掃除機をかけます。この際に、手を引きすぎたり押し出しすぎたりすると、ノズルが浮き上がり、汚れの吸い取り量は減少するので注意しましょう。
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1歩踏出しスイング手前
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スイング奥、後に重ね横移動
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引き過ぎ出し過ぎノズル浮:注
4. 床面T字ノズルは3分の1重ねがけ。 T字ノズルを裏から見ると、吸い込み口は中央にあります。したがって、左右の両端に行くほど吸引力が落ちやすい構造となっています。汚れの取りこぼしをなくすためにも、往復路の後横移動して、T字ノズルの3分の1は重ねてかけると良いでしょう。
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往路(奥へ)
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復路(手前へ)
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横移動後、重ねて往路
5. 各種ノズルを上手に活用する 掃除機には各種のノズルが付属されていることが多く、角や端や凹凸面など、場所や状況に合せて各種ノズルを上手に活用することで、キレイに効率よく掃除機をかけることが出来ます。
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T字ノズル
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ブラシノズル
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細口ノズル
床の種類別掃除機がけのポイント
- フローリング: 部屋の端や角、家具の周りや隙間などに汚れがたまりやすいので、そのような部分には掃除機のノズルを細口ノズルに変えるなどして、しっかり汚れを吸い取ります。
- カーペット: 度重なる人の歩行などによりカーペットの毛は踏みつぶされて倒れていることが多く、その下にも汚れが入り込んでいます。掃除機をかけるときは倒れている毛を起こすように、毛の向きをよく見て作業を行うと良いでしょう。
- たたみ: 畳と畳の間および部屋の角・端(畳寄せ)と畳の間などに汚れがたまりやすいので、細口ノズルやブラシノズルなどを使用して汚れを吸い取ると良いでしょう。
作業開始
一般的な家庭の和室を例に、掃除機のかけ方を紹介します。実際には、部屋のつくりやコンセントおよび窓の位置や好みなどにより、掃除手順は変化します。また、今回紹介するのは「ラクに素早く!」をテーマに、日々の掃除機がけをなるべく簡単に素早くかける手順例です。アレルギー対策などを重視した方法の場合、掃除機の2度かけや拭き掃除など、作業工程は変更されます。
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始めに窓を開けて、掃除機の排気口を外に向け、掃除機付近からスタート。
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畳一畳分を約8往復(3分の1重ねがけ)で40~48秒、一往復5~6秒以上かけてゆっくりかける。(T字ノズル)
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細口ノズルに変えて、角や畳の淵や畳寄せなどの隙間に注意しながら、掃除機をかける。
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ついでに、障子のレールやサッシも掃除機します。(細口ノズル)
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冬場などサッシに結露水が溜まっていることもあるので、注意が必要です。
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ホコリの溜まりやすい窓枠上部の淵も、掃除機かけます。 (細口ノズル)
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ここでブラシノズルに変えて、汚れやすく掃除機できる場所はついでに作業。
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意外に汚れやすいスダレ。掃除機でラクラクほこり除去!(ブラシノズル)
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障子の格子上部も、ホコリが溜まりやすい場所です。ついでに掃除機。(ブラシノズル)
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コンセントにホコリが溜まると、良くありません。ここも掃除機。(ブラシノズル)
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自然給気口の室内側も、空気の出入りがあり汚れやすい場所です。(ブラシノズル)
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上部にあるエアコン用のコンセントにも、掃除機。 (ブラシノズル)
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室内出入口に向かい、まんべんなく畳に掃除機をかけていく。(T字ノズル)
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押入れの中は細口ノズルに変えて隅々まで掃除機。ふすまのレールも掃除機。 (細口N)
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押入れ上部のレール下部なども、汚れやすい場所。(細口ノズル)
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出入り口のドア枠上部も、汚れやすいのでついでに掃除機。(細口ノズル)
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この後、他の部屋の掃除に移ります。(T字ノズル)
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吊り下げ式の電気のかさの上などは、汚れやすい場所。掃除機が届き、かけれたらついでに掃除機を…
その他の掃除機ポイント
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家具の上や凹凸面をブラシノズルで掃除機します。
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家電の上も、ブラシノズルで掃除機。
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本棚の中の本の隙間や上などのホコリも、ブラシ又は細口ノズルで掃除機します。
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掃除機の紙パック(ゴミ収集容器)を取り出し、本体側のお手入れをします。
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本体排気口付近も汚れやすい場所。定期的にお手入れを。
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フィルター付きは、外せるものが◎定期的にお手入れすると効果維持に。
掃除機はとても便利なお掃除用具です。効率良く活用することで、毎日のお掃除は今までよりもラクになります。
- ペットと一緒に暮らしている方は、お掃除・臭い対策など、ペット情報満載の「ペットと掃除」もご参考ください。